描写べうしや)” の例文
夢のやうな話なぞと云ふが、夢を夢らしく書きこなす事は、い加減な現実の描写べうしやよりも、かへつて周到な用意が入る。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
此日このひ此地このち此有様このありさまなが描写べうしやとゞまりて、後年こうねんいかなる大業たいげふ種子たねとやならん、つどへる人を見て一種いつしゆたのもしき心地こゝちおこりたり、此一行このいつかう此後こののち消息せうそく社員しやゐん横川氏よこかはしが通信にくはしければ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
アンドレエフに百姓が鼻糞はなくそをほじる描写べうしやがある。フランスに婆さんが小便をする描写がある。しかしをする描写のある小説にはまだ一度も出あつたことはない。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
エレメンタルスの描写べうしやかくも、夜営やえいの所は器用に書いてあります。
近頃の幽霊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)