ふい)” の例文
ノドケにはのどの中をテレビン油でふいやります。それは筆の代りに鳥の羽の中ほどをむしって先の方をちょう位なかたちに残してテレビン油をつけて喉の中をグルリと拭くのです。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「三枝ちゃんがクラヤミでふいたのでしょうか。よくふきとれてないけど」
何がなし暇さえあればはいたりふいたりみがいたり仕て居るが癖ですから目
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
そでふいて「お前さんだって立派な職人じゃないか、それにたった二人きりの生活くらしだよ。それがどうだろう、のべつ貧乏の仕通しでその貧乏も唯の貧乏じゃ無いよ。満足な家には一度だって住まないで何時いつでもこんな物置か——」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)