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押伏
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おしふせ
學び得て覺えある
惡漢なれ共
不意と云
多勢にて
押伏られし事故
汚面々々と
召捕れけり斯て又友次郎は其朝馬喰町の旅宿を
曉寅刻に立出て板橋の方へ
到り吾助を
押伏忽ち高手小手に
縛し上れば富右衞門は
魂ひ天外に
飛茫然として
惘れしが是は
抑何科有て此
繩目私し身に取て
聊かも御
召捕になるべき
覺え無しと云せも果ず役人は富右衞門を
懸て遣はしたる恩を忘れよくも
悴五郎藏を
突殺し金銀質物を盜み出せしよな悴の
敵思ひ知れやと云ながらも
飛懸りて
押伏んとするゆゑ役人は聲をかけコリヤ/\五兵衞
控へ
居れ此方にて
召捕たる罪人を