投懸なげか)” の例文
せて書斎に引籠ひきこもり机に身をば投懸なげかけてほつとく息太く長く、多時しばらく観念のまなこを閉ぢしが、「さても見まじきものを見たり」と声をいだしてつぶやきける。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それから上着を畳んで、肩へ投懸なげかけて出掛けるとて、口々に
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
医学生は肌脱はだぬぎで、うつむけに寝て、踏返ふみかえした夜具やぐの上へ、両足を投懸なげかけて眠って居る。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
醫學生いがくせい肌脱はだぬぎで、うつむけにて、踏返ふみかへした夜具やぐうへへ、兩足りやうあし投懸なげかけてねむつてる。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
宝蔵千年ほうぞうせんねんよろいを取つて投懸なげかけた風情ふぜいがある。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)