トップ
>
手懐
>
てなず
ふりがな文庫
“
手懐
(
てなず
)” の例文
旧字:
手懷
袁譚
(
えんたん
)
は城を出て、その後備えを追撃した。そして
殿軍
(
しんがり
)
の大将
呂曠
(
りょこう
)
と
呂翔
(
りょしょう
)
のふたりをなだめて、味方に
手懐
(
てなず
)
け、降人として、曹操の見参にいれた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「叔父は
肚
(
はら
)
が黒いから、おためごかしに母を
手懐
(
てなず
)
けて、何をするか知れん。これを当分君に預けておくから、持って帰ってどこかへ仕舞っておいてくれ。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
二人の犬殺しの苦心もまたそこにあって、いろいろに犬を
手懐
(
てなず
)
けようとしたのもそれがためでありました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
デミトリチの
顔付
(
かおつき
)
、
眼色
(
めいろ
)
などを
酷
(
ひど
)
く
気
(
き
)
に
入
(
い
)
って、どうかしてこの
若者
(
わかもの
)
を
手懐
(
てなず
)
けて、
落着
(
おちつ
)
かせようと
思
(
おも
)
うたので、その
寐台
(
ねだい
)
の
上
(
うえ
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
し、ちょっと
考
(
かんが
)
えて、さて
言出
(
いいだ
)
す。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それというのも、あれほど瑠美子を
手懐
(
てなず
)
けていた清川も、
同棲
(
どうせい
)
生活が初まるとたちまち態度が
豹変
(
ひょうへん
)
して来たからで、それも彼ら二人の恋愛生活に幻滅を促した一つの原因であった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
片々
(
きれぎれ
)
に口にするところから推測してみると、とっくに切れてしまったはずのクルベーが、新橋の一芸者を
手懐
(
てなず
)
けたとか、遊んでいるとかいうようにも聞こえたし、
寄越
(
よこ
)
すはずの金を
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
酒も呑まず
賭事
(
かけごと
)
にも手を出さず、十二三歳の時から、馬で
赤城
(
あかぎ
)
へ
薪
(
たきぎ
)
を採りに行ったりして、馬を
手懐
(
てなず
)
けつけていたので、馬に不思議な愛着があり、競馬馬も飼い、競馬場にも顔がきいていた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
懐
常用漢字
中学
部首:⼼
16画
“手懐”で始まる語句
手懐得