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戌刻
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いつゝ
ふりがな文庫
“
戌刻
(
いつゝ
)” の例文
「
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)には潜りの大
海老錠
(
えびぢやう
)
をおろします。それから先は私が開けにかゝらなければ、外からは入れないことになつてをります」
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
放れつゝ夫九助が
命乞
(
いのちごひ
)
と思ふ計りの
力草
(
ちからぐさ
)
島田宿迄一息に來りし頃は夜も
戌刻
(
いつゝ
)
水田屋へこそ着にけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
八五郎が馬のやうに丈夫なことは、平次も知り拔いて居りますが、もう
戌刻
(
いつゝ
)
過ぎの時刻を考へて、平次も少し
躊躇
(
ちうちよ
)
したやうです。
銭形平次捕物控:278 苫三七の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜の
戌刻
(
いつゝ
)
半過ぎ、いや
亥刻
(
よつ
)
時分かな、中がシーンとして居るので、お勝手から入り込むと、師匠は稽古舞臺の上で死んで居た。
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎでした。隣りの部屋へ床を敷いて上げてお勝手へ來たとき
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)の火の番の
拍子木
(
ひようしぎ
)
が鳴つてゐたやうで——」
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
今考へて見ると、それも私を狙ふ者の細工だつたかも知れませんが、兎に角、身體が明いてホツとしたのは、
戌刻
(
いつゝ
)
半過ぎぢや御座いませんか
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「相變らず殺風景な野郎だなア——もう少しの辛抱だよ、
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)が鳴るまで橋の上にゐることになつてゐるんだから」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「宵のうち——まだ
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)そこ/\に出て、お湯へ入つて、それから八五郎親分のところに頑張つて來たんですもの」
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
戌刻
(
いつゝ
)
頃と思ひましたが、それつきり泊つたやうです。今朝歸つて來て、伊八さんが死んで居るのを見付けて大騷動でしたよ。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それつ切り二人は逃げ出し、お萬は一寸
誤魔化
(
ごまか
)
しに湯へ行つて、
亥刻
(
よつ
)
を過ぎたのに、『
戌刻
(
いつゝ
)
半でせうね』と番臺で念を押した
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
最初は丁度この月の始め、雨のシヨボシヨボ降る晩でした。
戌刻
(
いつゝ
)
半頃小臺の方から
堤
(
つゝみ
)
の上に提灯が六つ出て、そいつが行儀よく千住の方へ土手を
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「正
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)ぢや。表裏共それより後は、殿樣か御用人樣直々の御指圖がなければ開けてならないことになつて居る」
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「直ぐ許されて歸りましたよ。江の島から江戸へ入つたのは夕方、中の郷の師匠の家へ着いたのは
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎで、疑ひやうはありません」
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎が
刷毛
(
はけ
)
先で
梶
(
かぢ
)
を取つて、明神下の家に乘り込んで來たのは、月が圓くなつた頃、ある夜の
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎでした。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「昨夜
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎから
亥刻
(
よつ
)
(十時)前まで、ざつと半刻の間、お孃さんは本當に庭で源三郎と話して居たのですね」
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう
戌刻
(
いつゝ
)
過ぎ、夕方から吹き始めた名物の空つ風に、頬も鼻も、千切れて飛びさうな寒さですが、平次の探求心は反つて火の如く燃えさかります。
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところが、不思議なことに
戌刻
(
いつゝ
)
少し前に持つて行くと、お舟も和助も——二人共ゐなかつたと言ふぢやありませんか」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お吉さんが引揚げたのは
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)頃で、番頭さんはそれから間もなく引揚げました。雪の降り出す前で——」
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
戌刻
(
いつゝ
)
に休んで——
半刻
(
はんとき
)
も經たないうちに
手洗
(
てうず
)
に起きたことになるわけだな。
亥刻
(
よつ
)
(十時)に見付けた時、死骸が冷たくなりかけて居たとすると——」
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「昨夜は風呂が立たなかつたので、町風呂へ行つたやうでございました。小半刻經つて、
戌刻
(
いつゝ
)
過
(
す
)
ぎになつてから、宜い心持に
茹
(
うだ
)
つて歸つて來ましたが」
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「家を出たのは
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)頃、近いところですからブラブラ行つて、
亥刻
(
よつ
)
(十時)ぎり/\に歸つて參りました」
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「昨夜
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎから
亥刻
(
よつ
)
(十時)前まで、お君さんは庭の植込みの蔭で、この私と話をして居たのですよ」
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へエ、——お町は
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)少し前に殺されたつて話ですから、その時分私は町内の錢湯へ行つて居ましたよ」
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お直が死んだのは
酉刻半
(
むつはん
)
(七時)頃で、お近が行つて佛樣の
伽
(
とぎ
)
をしたのは
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)から
亥刻
(
よつ
)
(十時)迄の間だ。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに昨夜は恐ろしく早く、
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)前に離屋へ引揚げたさうですよ。——本人は山下の馴染の家で、宵から飮んでゐたといふのは嘘ぢやないでせう
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)を過ぎたでせう、柳原にはまだ辻斬も
夜鷹
(
よたか
)
も出ませんが、江戸の夜は次第に靜かになりました。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
フラリと柳原土手を歸つて來たのは
戌刻
(
いつゝ
)
過ぎ、人通りのハタと絶えたところへ來ると、いきなり闇の中から飛出して、ドカンと突き當つたものがあります。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
姉に藥をやつたのは、
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎだつたといふが、それから
亥刻
(
よつ
)
(十時)前までざつと一刻の間、お前の姿を見た者は、家中に一人も居ないのだぜ。
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「まだ宵のうちで、店で藥研を使つてゐたさうですよ。離屋へ歸るのは毎晩
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎになるさうで——お玉が殺されたのは、
酉刻半
(
むつはん
)
(七時)でせう」
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と言つたやうな取なし、これは馴れ合づくですから、平次も遠慮するやうなしないやうな、ズルズルベツタリ盃を嘗めて居ると、やがて
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)といふ頃。
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)に寢た主人が小用に起きて殺されて、
亥刻
(
よつ
)
(十時)には冷たくなりかけて居たといふのは、どう考へても時刻が合はないことになりやしませんか
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あつしは早寢で、
戌刻
(
いつゝ
)
半には床の中へ
潜
(
もぐ
)
り込んだ位ですから、うと/\して居て、よくは知りませんが、お祭の笛だか、口笛だか、聞いたやうな氣がしますよ」
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)少し過ぎに御自分の六疊に引取つて、お仕事をして居らつしやる樣子でした。私は父上のお部屋でお肩を
揉
(
も
)
んで上げて、半刻ばかり遲れましたが」
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「昨夜の宵のうち、——詳しく言へば、
戌刻
(
いつゝ
)
頃までは確かにあつたが、今朝見ると無くなつて居る」
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香爐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
先刻
(
さつき
)
は、よくも俺を
騙
(
だま
)
したな。昨夜
酉刻半
(
むつはん
)
過ぎから
戌刻
(
いつゝ
)
過ぎまで、此家に二人共ゐなかつた筈だ」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そいつは、あつしに言つてくれませんよ、——此處は人目が多いから、今晩
戌刻
(
いつゝ
)
前に明神下の、錢形の親分さんのところへ行つて、皆んな申上げます——といふんで」
銭形平次捕物控:263 死の踊り子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「えゝ、父上も、姉上も、靜かなところがお好きですから、
戌刻
(
いつゝ
)
か
戌刻半
(
いつゝはん
)
には別々に銘々のお部屋に引取つて、お仕事をしたり、お手習をしたり、御本を讀んだりします」
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「どうだい八兄哥、これぢや昨夜
戌刻
(
いつゝ
)
から
亥刻
(
よつ
)
(八時から十時)まで此家に居た者で、人の
頸
(
くび
)
へ正面から三寸も出刄を突き立てる力のある者が怪しいといふことになるだらう」
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「佐の市のお
袋
(
ふくろ
)
が、
卯刻
(
むつ
)
(六時)前に開けた。輪鍵はちやんと内側へ掛つて居たさうだよ。
戌刻
(
いつゝ
)
時分にお美乃が歸つて來て、お六の死骸を見付けたのは
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時頃)だらう」
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いえ、お玉は日が暮れると身體が明きます。ひと風呂
樂屋
(
がくや
)
風呂を浴びて、
酉刻
(
むつ
)
少し過ぎに緑町へ歸つたが、姉の歸りが遲いので、私と入れ違ひに
戌刻
(
いつゝ
)
時分に迎へに來ましたよ」
銭形平次捕物控:151 お銀お玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
兩國から明神下へ着いたのは
戌刻
(
いつゝ
)
半(九時)頃、八五郎を相手に一本あけたところへ
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「え、
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)前に、空模樣が惡くなつたんで、續け樣に揚げきつたやうですよ」
銭形平次捕物控:125 青い帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その晩の
戌刻
(
いつゝ
)
半頃、この一行は回向院の寺内に入り、其處でお通夜が營まれたのです。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎに、たつた一人でこゝへやつて來たよ——尤も、お由良には言はないが、誰か
跟
(
つ
)
いて來て外で見張つてゐる樣だつたが、——俺のところへ來たのは初めてぢやない。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女房の初七日も濟まないが——と最初は氣の乘らない樣子でしたが、根がお好きなので、いつの間にやら夢中になつてしまひ、
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎには、お酒を出させて、お二人で碁を
銭形平次捕物控:277 和蘭の銀貨
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それからいろ/\の手順を運んで、神田の平次のところへ歸つたのは夜の
戌刻
(
いつゝ
)
半頃。
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこから石原の宿へ、平次は、物を考へながら
辿
(
たど
)
りました。夜はもう
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)を過ぎたでせう、西の空のほの明るさも消えて、江戸もこの邊は宵ながら眞夜中の風情さへあります。
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今日もツイ側に居たぢやないか、ところで、お前の馬鹿さ加減を思ひ知らせるやうに、今晩は富坂の角の米屋に押入る、時刻まで教へてやらう、宵の
酉刻
(
むつ
)
から
戌刻
(
いつゝ
)
迄の間だ。千里の虎より
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それつ切りですよ、——十五日の正
戌刻
(
いつゝ
)
——といふことを繰り返しただけで」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「まだ宵のうち、
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)そこ/\で御座いました。この節は物騷だから、女の夜歩きは止せと申してをりましたが、私に隱れるやうに、何時の間にやら見えなくなつてしまひました」
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
戌
漢検1級
部首:⼽
6画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“戌刻”で始まる語句
戌刻半
戌刻過
戌刻頃
戌刻前