忿いかり)” の例文
周は忿いかりがむらむらとこみあげて来て、どうしても押えることができないので、黄吏部の家へいこうとした。成はこれをおしとめていった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
事の意外に出でたる驚、ことばに現すべからざる痛、負心ふしんの人に對する忿いかり、皆明かに觀る人の心に印せられき。ヂドは今おもなる單吟アリアに入りぬ。
その当時から、足掛五年になる只今も私はその光景を思い出すごとに、胸が裂け四肢のおののくような、恐ろしさと忿いかりとを感ぜずには居られないのです。
ある抗議書 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
磯良これをうらみて、或ひは舅姑おやおや忿いかり五六せていさめ、或ひはあだなる心をうらみかこてども、五七大虚おほぞらにのみ聞きなして、後は五八月をわたりてかへり来らず。
如何いかにしてもけかねし親々おや/\忿いかり
青年の言葉は、恨みと忿いかりのために狂ひ始めてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
青年の言葉は、恨みと忿いかりのために狂い始めていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)