志自牟しじむ)” の例文
針間はりま志自牟しじむが家に住みし時に、が命名を顯はさざらませば一三、更に天の下知らさむ君とはならざらまし。これ既にが命のいさをなり。
二人が志自牟しじむのうちにいたときに、もしそなたが名まえを名乗らなかったら、二人ともあのままあそこにうずもれていなければならなかったはずであった。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
かれ玖須婆くすばの河一一を逃れ渡りて、針間はりまの國一二に至りまし、その國人名は志自牟しじむが家一三に入りまして、身を隱して、馬甘うまかひ牛甘うしかひつかはえたまひき一四
その後まもなく、その播磨はりまの国へ、山部連小楯やまべのむらじおだてという人が国造くにのみやつこになって行きました。するとその地方の志自牟しじむという者が新築しんちくしたおうちでお酒盛さかもりをしました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
そして固くご身分をかくして、志自牟しじむという者のうちへ下男におやとわれになり、いやしいうし飼、うま飼の仕事しごとをして、お命をつないでいらっしゃいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ここに山部やまべむらじ小楯をたて針間はりまの國のみこともちさされし時に、その國の人民おほみたから名は志自牟しじむが新室に到りてうたげしき。ここにさかりうたげて酒なかばなるに、次第つぎてをもちてみな儛ひき。