忍術にんじゅつ)” の例文
かかる白日はくじつもと万人衆目ばんにんしゅうもくのあるなかで、忍術にんじゅつ秘法ひほうをどうあらそうのだろうか。争うとすればどうするのだろうか?
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忍術にんじゅつつかいのような博士のことですから、どこから、しのびこんでくるか、わからないからです。
探偵少年 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それがまたこの戯れのながく行われた面白味おもしろみであったろうが、幼い人たちが模倣を始めたより更に以前を想像してみると、忍術にんじゅつなどと起原の共通なる一種の信仰が潜んでいて
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
げ道のために蝦蟇がまの術をつかうなんていう、忍術にんじゅつのようなことは私には出来ません。進み進んで、出来る、出来ない、成就じょうじゅ不成就の紙一重ひとえあやうさかいに臨んでふるうのが芸術では無いでしょうか。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
およそ忍術にんじゅつというものも夜陰やいんなればこそ鼠行そぎょうほうもおこなわれ、木あればこそ木遁もくとん、火あればこそ火遁かとんじゅつもやれようが、この白昼はくちゅう、この試合場しあいじょうのなかで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いわゆる、徳川時代の名物、伊賀者いがもの元祖がんそは、この菊池半助きくちはんすけと、柘植半之丞つげはんのじょう服部小源太はっとりこげんたの三がらす。そのひとりである半助が、忍術にんじゅつけているのはあたりまえ、あらためてここにいう要がない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)