心牽こころひか)” の例文
男たちはおのづからすさめられて、女のこぞりて金剛石ダイアモンド心牽こころひかさるる気色けしきなるを、あるひねたく、或は浅ましく、多少の興をさまさざるはあらざりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
されども、おのづか見識越みしりごしならぬはあきらかなるに、何がゆゑに人目をさくるが如きかたちすならん。華車きやしやなる形成かたちづくりは、ここ等辺らあたりの人にあらず、何人なにびとにして、何が故になど、貫一はいたづら心牽こころひかれてゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あやしくもにはか名残なごりをしまれて、今は得もはなたじと心牽こころひかるるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)