御見ぎょけん)” の例文
お案じあるなよ、策なきにしもあらず、いずれ帰洛の後、あらためて御見ぎょけんに入ろう。ごへんこそ、ずいぶんお身大事にしておられよ
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
、覗き見しておった。——初対面の舅殿なれど、初の御見ぎょけんとは思えぬほど、はてさて、最前の老いぼれはよう似かようてござった
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その上、かような御命を下されて、越路こしじへ旅立つからには、ふたたび善信が、生命のあるうちに、朝夕ちょうせき御見ぎょけんも望み得ぬことかと思われます。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当村の名主晁氏ちょうしのお名は、久しく耳にするのみで、御見ぎょけんは今が初めてだが、初対面の手みやげに、じつは軽少なれど、金銀十万貫に値する儲け仕事を
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あいや、お騒ぎ立ちは、なんのご利益にもなりますまい。——これは梁山泊の義士宋江そうこうです。義士宋江が折入って、御見ぎょけんを得に参った次第ですから」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それいらいは両探題も、御見ぎょけんに入って拝伏したことはないのだ。帝もまた一切、おんみずからの垢の玉体を、余人に見せることはお好みにならなかった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
拝してもおりました。おそれながら、しばしの間、御見ぎょけんをたまわりたく、また親しく申し述べたい儀もございまする。何とぞおききとどけ願わしゅう存じまする
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武者の妻を御見ぎょけんに入れるのだから、そのようにして、いま、会っていただこう。……しばらくお待ちねがいたいと、客どもをおいて、自身、厨の妻へ、告げに行った。
「これは、寧子、おや屋の里方の叔父にあたる者。つまり当家の又右衛門どのの家内こひ女の兄、木下孫兵衛家定いえさだでござる。初めての御見ぎょけん、この後はわけても御昵懇ごじっこんに」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私がここで、その功力くりきを百言で呶々どどするよりは、一度の御見ぎょけんがすべてを、明らかにするでしょう。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
於ゆうは、はじめての御見ぎょけん、それに藤吉郎となので、消えも入りたげに、おもてをふせていたが
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お見覚えもないはずでございまする。初めての御見ぎょけん。それなのに、こう厚顔あつかましゅう」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
襲うところ。いずれ晩までには、引ッくくって、白洲の御見ぎょけんに入れましょう。御免ッ
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「追って、日を改めて、またゆるゆる御見ぎょけんに入ろう。今日は信長も多事なれば」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがしは、初めての御見ぎょけんだが、お城のうちに、薄々お顔を知った者があって、胤舜御坊の草履取は、小野治郎右衛門が高弟の浜田寅之助じゃが? ——どうもそうらしいが? ——と噂を
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いつでも御案内して参ろう。柳生城の当主宗厳むねとしどのにも、兵法の道には執心しゅうしんと、ゆうべも何かの折、おうわさしたところ、一度は御見ぎょけんに入りたいものと、伊勢どのにも云われてござった」
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「が、佐々木ずれの武者に、直々の御見ぎょけんは、如何いかがなもので」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、そのせいか、初めての御見ぎょけんとも覚え申さん」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それも、よそながらの御見ぎょけんでおざった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近々の御見ぎょけんにゆずり、あらあら右まで
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)