御肴おさかな)” の例文
「全くね。これじゃ誰だって、やって行けないわ。御肴おさかなの切身なんか、わたしが東京へ来てからでも、もう倍になってるんですもの」
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
願ひ奉つる因ては何なりとも有合の御肴おさかなをさし上候はんと只管ひたすら詫入わびいりければ武士は忽ち顏色をやはらげ是は/\御亭主の挨拶あいさつ却つていたいるそうじて其方そなたの如く理を分て云るれば某し元より事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まつたくね。これぢやだれだつて、つてけないわ。御肴おさかな切身きりみなんか、わたし東京とうきやうてからでも、もうばいになつてるんですもの」とつた。さかな切身きりみ値段ねだんになると小六ころくはうまつた無識むしきであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つぎやすむ故亭主八五郎は茶などはこばせて挨拶あいさつなしけるに若き夫婦は御世話ながらお酒を]一がふ御膳ごぜんを二人前出し下されと云ければ亭主は承知なし御肴おさかなは何んぞ見つくろひましよと云つゝ煮染にしめに飯と酒を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)