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御緩
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ごゆっ
ふりがな文庫
“
御緩
(
ごゆっ
)” の例文
「まあ
御緩
(
ごゆっ
)
くりなさい。母が帰っても別に用事はないんですから」と女は帰った人を迎える
気色
(
けしき
)
もない。男はもとより尻を上げるのは
厭
(
いや
)
である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
持って来るだけの事でございます、又お前さん方が泊っている内は他の者は帰してしまいますから、お心置なく
御緩
(
ごゆっ
)
くりと泊っていらっしゃいまし
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「まだ御座いますようですね。じゃ、お
後
(
あと
)
にしましょう。
御緩
(
ごゆっ
)
くりと……」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「いいえ、そんなでもないようですけれど、
臥
(
ふせ
)
っておりますから、お
髪
(
ぐし
)
はあげられませんでしょう。ですが、
御緩
(
ごゆっ
)
くり、まあ、なさいまし。この頃では、お増さんも気に掛けて、早く帰って参りますから、ほんとうに……お嬢さん、」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「はあ、たった今しがた出ました。おっつけ帰りましょう。どうぞ
御緩
(
ごゆっ
)
くり」と例の火鉢を出す。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
下女「これは有難うございます、まア
御緩
(
ごゆっ
)
くりおいでなせえましよ、滅多に
汽船
(
ふね
)
は来ませんから」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうでございましたか………何うもお二人様ともお雛様を一対
列
(
なら
)
べたようで………
御緩
(
ごゆっ
)
くりなすって、今旦那が帰って来ますと自分で手料理が出来ますが、
生憎
(
あいにく
)
居ないから
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それでも気がすまなかったと見えて、自分が鞄の始末をした頃、
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
へ顔を出して、「おやもう御荷物の仕度をなすったんですか。じゃ御茶でも入れますから、
御緩
(
ごゆっ
)
くりどうぞ」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
へい、どなた様も、毎日相変らずありがとう存じます。今日は少々御寒うございますから、どうぞ
御緩
(
ごゆっ
)
くり——どうぞ白い湯へ出たり
這入
(
はい
)
ったりして、ゆるりと御あったまり下さい。——番頭さんや、どうか湯加減を
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
緩
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“御”で始まる語句
御
御馳走
御前
御意
御座
御簾
御尤
御覧
御免
御堂