御直参ごじきさん)” の例文
旧字:御直參
幸「私もお屋敷へお出入をした者で、大概お屋敷は存じて居りますが、貴方の御様子は御家中でも無いようですが、御直参ごじきさんかね」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「無礼だろう。身の程も顧みず、御直参ごじきさんの大身へ強請ゆすりがましい事を言って来るとは、何事じゃ。この上は迷子札を出そうとも勘弁はならぬ、観念せい」
正月七日の夜、某旧識きゅうしきの人の奴僕ぬぼく一人、たちまちに所在を失ひそうろう。二月二日には、御直参ごじきさんの人にて文筆とも当時の英材、某多年の旧識、これも所在を失し、二十八日に帰られ候。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「左様。大して、家格の大きなお旗本はおらぬが、だいたい御直参ごじきさんの多く住んでいるところなので」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
林之助は御直参ごじきさんの中でも身分のあまりよくない何某なにがし組の御家人ごけにんの次男で、ふとしたはずみからこのお絹と親しくなって、それがために実家をとうとう勘当されてしまった。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
酔「くどい、見れば立派なお侍、御直参ごじきさんいずれの御藩中ごはんちゅうかは知らないが尾羽おは打枯うちからした浪人とあなどり失礼至極、愈々いよ/\勘弁がならなければどうする」
「ゆ、ゆるして下さいまし、父の、苦境を救いたいばかりに、こ、こんな御縁を結びましたが、私には、さる御直参ごじきさんの御次男で、言いかわしたお方があるのでございます……」
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
「馬鹿野郎、御直参ごじきさん見てえな挨拶をしやがって」
これかりそめにも天下御直参ごじきさんの娘が、男を引入れるという事がパッと世間に流布るふ致せば、飯島は家事不取締かじふとりしまりだと云われ家名かめいけがし、第一御先祖へ対して相済まん、不孝不義の不届ふとゞきものめが