御披見ごひけん)” の例文
幼君えうくんたゞちに御披見ごひけんありて、「こは一段いちだん思附おもひつき面白おもしろ取合とりあはせなり。如何いかなんぢこゝろにもこれにてしとおもへるか」と御尋おたづねに、はツと平伏へいふくして
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「委細は、この御書状のうちに、るると、おしたためのよしにございますれば、何とぞ、御披見ごひけんを」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
改め今度主人縫殿頭より使者の趣きは長門守殿御領分りやうぶん水呑村百姓名主九助一件に付用人共より各自方おの/\がたへの御用じやうまづ御披見ごひけん成れよと首に掛たる御用状を相渡せば外記げきは之を請取ふう押切て讀上るに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大「重々心得違い、れにて宜しゅうございますか、御披見ごひけん下さい」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と、胸に掛けていた革文筥かわふばこはずし、自分は、院主のお使いで、この書面を、柳生までお届けにゆく途中であるが、おさしつかえなければ、ここで御披見ごひけんくだされまいかとて、それを手渡した。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「新六が託されて参った将監の書状です。——まず御披見ごひけんを」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「長谷川宗仁そうにんからの由でございますが、ともあれ、御披見ごひけんを」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)