御房ごぼう)” の例文
「されば、恵心えしん御房ごぼうも、念仏読経四威儀しいぎを破る事なかれと仰せられた。翁の果報かほうは、やがて御房の堕獄だごくの悪趣と思召され、向後こうごは……」
道祖問答 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
武太夫が出て往くと、権兵衛は一枚の半紙を取って筆を走らせ、それを封筒に容れて表に津寺方丈つでらほうじょう御房ごぼうと書き、そして、それをすずりの下へ敷いた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
法然御房ごぼうの眉を仰いでからというものは、従来の考えが一転して、非常に明るく、心づよく、しかも気楽になりました。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おひいさま、この御房ごぼうが、いちばん先に、鬼になってくださるそうですから、よいでしょう」玉日は、貝のような白いあごをひいて、にこりとうなずいた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「都では僧都そうず御房ごぼう一人、そう云う神詣でもなさらないために、御残されになったと申して居ります。」
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこで、御房ごぼうのお考えはどうあるの? ……仏教も近年はずっと進んできたようですから、御房のような新知識から、わしらは学びたいと思うているがの。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はい、もう泣きは致しません。御房ごぼうは、——御房の御住居おすまいは、この界隈かいわいでございますか?」
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
僧都そうず御房ごぼう! よく御無事でいらっしゃいました。わたしです! 有王ありおうです!」
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「久しゅう会わぬ。あの御房ごぼうへも、会うた節には、よろしくたのむ」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御房ごぼうなどは隅にも真ん中にも置けない才だ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(お、北山御房ごぼうの屋根だな)
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御房ごぼうもすこし御酩酊ごめいていか」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そこの御房ごぼう
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)