“後様”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うしろざま75.0%
うしろさま25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
杖は※状かぎのて自然木じねんぼくなるが、その曲りたる処に鼻をたせつ、手は後様うしろざまに骨盤のあたりに組み合せて、所作なき時は立ちながら憩いぬ。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは——床に落ちた書類を拾おうとして、被害者が身体をかがめたところを、その一眼鏡モノクルの絹紐で、犯人が後様うしろざまに絞め上げたと云うのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
婆は鴫沢しぎさわの前にその趣を述べて、投棄てられし名刺を返さんとすれば、手を後様うしろさまつかねたるままに受取らで、ひておもてやはらぐるも苦しげに見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
留りては裂き、行きては裂き、裂きて裂きて寸々すんずんしけるを、又引捩ひきねぢりては歩み、歩みては引捩りしが、はや行くもくるしく、後様うしろさま唯有とあ冬青もちの樹に寄添へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)