引張ひつぱり)” の例文
御米およねもつまりはをつと歸宅後きたくご會話くわいわ材料ざいれうとして、伊藤公いとうこう引合ひきあひぐらゐところだから、宗助そうすけすゝまない方向はうかうへは、たつてはなし引張ひつぱりたくはなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
吉野は無理矢理に加藤に引張ひつぱり込まれた。女連は霎時しばし其処に腰を掛けてゐたが、やがて清子も一緒になつて出た。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
貰ひ度と云に九助は種々いろ/\と云譯をすれ共兩人の惡漢わるもの更に聞入ずと立寄て左右より手を引張ひつぱりし故今は是非なく盜賊々々どろばう/\人殺々々ひとごろし/\呼叫よびさけぶに向ふより正面しやうめんに島田講中とかきみづの丸の合じるしの小田原提灯ちやうちん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)