とむらい)” の例文
……おそらくは、わが子のとむらい合戦の決意と、あわせて、貞載の死を、足利殿御兄弟にも、思い出していただきたいのでございましょう
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうか、それは気のどくだが、お父さんを殺されたうえに、虎を殺したら、大損じゃないか、それよりか、俺に売れ、その売った金でお父さんのとむらいをしたらどうだ」
虎媛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼女のわずかに残っているかも知れぬ良心を恥しめてやる時だ! そうだ! 死んだ青木じゅんのためにも、とむらい合戦を戦ってやる時だ! そう思いながら、信一郎は必死の勇を振って
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
とむらいと云う字は、大昔に人が弓を携えて葬儀に列したので、それを象形したのであると聞いている。勿論、これは文字の製造元である支那の故事であるが、我国でも葬礼に弓を用いる習俗は各地にある。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
寡慾かよくを示して、勝家にも、寡慾をすすめて来たものだ。そして信雄、信孝に多くを割当て、あとは山崎のとむらい合戦の功によるかの如き分割案の振り当てだった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元康、義元への義を想って子の氏真にとむらい合戦をすすめたけれども応ずる気色もなかった。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
わしはただ順逆を学び、天道を奉じ、亡君のとむらい合戦ぞという捨身があるばかり。もしこの一戦に、秀吉討死と聞えたなら、母も妻も、そちらの手で、いさぎよう処置してくれい。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先君のとむらい合戦と申して、せがれ秀勝も髪をろさんといい、堀秀政も剃髪すると云い出したが、お身らは若い、それまでには及ばぬ。武者振むしゃぶりこそ作れと、ようやくあちらで止めて参った。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そればかりか、秀吉が先君のとむらい合戦を果したというそのことの反動として
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、とむらい合戦の手始めだ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いでや、主君のとむらい合戦」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)