店蔵みせぐら)” の例文
旧字:店藏
往来繁ゆききしげき町を湯屋の角よりれば、道幅その二分の一ばかりなる横町の物売る店もまじりながら閑静に、家並やなみ整へる中程に店蔵みせぐら質店しちやと軒ラムプの並びて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
なんでも其の頃は未だ世の中が開けぬ時分でございますが、当節は追々開けてまいり、仕合せの事には大火という者がとんとございません、是は家造やづくりが石造いしづくりあるい店蔵みせぐらに成ったり
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこのかどにある店蔵みせぐらが、半分は小さな郵便局に、半分は唐物屋とうぶつやになっている。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
何処どこくかと、見えがくれに跡を附けてまいりますと、一人ひとりは川口町四十八番地の店蔵みせぐらで、六間間口ろっけんまぐちの立派なかまえ横町よこちょうの方にある内玄関ないげんかんの所を、ほと/\と叩くと、内からひらきを明け