広陵こうりょう)” の例文
三国さんごく孫休そんきゅうのときに、一人の戍将じゅしょう広陵こうりょうを守っていたが、城の修繕をするために付近の古い塚を掘りかえして石の板をあつめた。
曹操は、その後、朝廷に奏し、陳登を広陵こうりょうの太守に任じ、父の陳珪にも老後の扶持ふちとして禄二千石を給した。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「私は広陵こうりょうおう十八という者です。どうか路案内をさしてください。」
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
と歌ってから、源氏は久しく触れなかった琴を袋から出して、はかないふうにいていた。惟光これみつたちも源氏の心中を察して悲しんでいた。源氏は「広陵こうりょう」という曲を細やかに弾いているのであった。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)
淮陰わいいんの河口は大水があふれて、紀霊軍も追撃することはできなかった。その暴風雨あらしの闇にまぎれて、玄徳は、盱眙くいの陣をひきはらい、広陵こうりょうの地方へ落ちて行った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫恩そんおんが乱を起したときに、呉興ごこうの地方は大いに乱れた。なんのためか、ひとりの男が蒋侯しょうこうびょうに突入した。蒋子文しょうしぶん広陵こうりょうの人で、三国のの始めから、神としてここに祀られているのである。
泣く泣く彼は袁術の屍を埋め、ひとり盧江ろこう方面へ落ちて行ったが、途中、広陵こうりょう徐璆じょきゅうというものが、彼を捕えたので、その体を調べてみると、意外な物を持っていたのを発見した。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
広陵こうりょう(江蘇省・揚州市)のあたりで兵員も軍用金も乏しく困窮していた頃——商家の息子たる糜竺は、玄徳の将来を見こんで、その財力を提供し、兵費をまかない、すすんで自分の妹を、玄徳の室に入れ
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呂布の使いは、広陵こうりょう(江蘇省・楊州)へ立った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)