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幽鬱
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ゆううつ
ふりがな文庫
“
幽鬱
(
ゆううつ
)” の例文
道楽に小説も書く貴族の若様といった様子の青年で、磨き抜かれた容貌に何んとなく芸術家だけが持つ、一種の
幽鬱
(
ゆううつ
)
さがあります。
焔の中に歌う
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかも処々に散見する
白楊
(
ポプラア
)
の立樹は、いかに深くこの
幽鬱
(
ゆううつ
)
な落葉樹が水郷の土と空気とに親しみを持っているかを語っている。
松江印象記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あなたのいつかの妹へのお便りにも、
幽鬱
(
ゆううつ
)
ななやましい気分がもられて見えました。なにとぞからだを大切にして、頭を使い過ぎないように注意して下さい。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
そしてマリユスは、そういう際におけるその崇高な
幽鬱
(
ゆううつ
)
な
顔貌
(
がんぼう
)
に対して、自ら驚嘆を禁じ得なかった。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
椴松帯
(
とどまつたい
)
が向うに見えた。
凡
(
すべ
)
ての
樹
(
き
)
が裸かになった中に、この樹だけは
幽鬱
(
ゆううつ
)
な暗緑の葉色をあらためなかった。真直な幹が見渡す限り天を
衝
(
つ
)
いて、
怒濤
(
どとう
)
のような風の音を
籠
(
こ
)
めていた。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
室はどうかすると、
幽鬱
(
ゆううつ
)
そうに黙り込んでしまった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
会長室に居残って、果てしもない
幽鬱
(
ゆううつ
)
な冥想に耽って居た園田敬太郎は、帰って来た花房一郎の顔を見ると、
僅
(
わず
)
かに平常の冷静を取り返しました。
女記者の役割
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ただ、かれこれ一年ばかり経って、私が再び内地へ帰って見ると、三浦はやはり落ち着き払った、むしろ以前よりは
幽鬱
(
ゆううつ
)
らしい人間になっていたと云うだけです。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
青白い
幽鬱
(
ゆううつ
)
な顔も、少し
上気
(
のぼ
)
せて、半殺にされた毒虫のように、ワナワナ
慄
(
ふる
)
える唇、美しい頬の肉は醜く引吊って、眼は魔神の像のギヤーマンの眼玉のように、ギラギラと虚ろな光を投げます。
死の予告
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
幽
常用漢字
中学
部首:⼳
9画
鬱
常用漢字
中学
部首:⾿
29画
“幽”で始まる語句
幽
幽邃
幽霊
幽閉
幽冥
幽界
幽靈
幽寂
幽婉
幽谷