平三へいぞう)” の例文
ゆめからさめた平三へいぞうは、ぼんやりとして、そとをながめました。めずらしく、よくそられて、夕焼ゆうやけが赤々あかあかゆき平野へいやをそめていました。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつも頼朝であり、また箸であることは、よほど珍しい話といわねばなりません。(房総志料続編。千葉県市原郡平三へいぞう村)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
平家方の一将、梶原平三へいぞう景時は、どういう思惑があってだろうか、頼朝の潜んだ木暗こくらがりを見届けながら、岩上に立って味方のほうへ大声あげながら手を振っていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平三へいぞう氏! 判然はっきりと見て置いてもらいてえもんだな。こうならわかんべから。」
或る部落の五つの話 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
あわれな平三へいぞうは、ねむらずに、わらをあんで、ゆきぐつをつくりました。そして、翌日よくじつは、それをって、むらからむらへ、ってあるきました。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もし、もし、おれも、仲間なかまにいれてくんなされ。もし、もし。」と、平三へいぞうは、さけんだけれど、あらしがつよくて、そのこえしたのでした。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)