れい)” の例文
ニナール姫は、さういふが早いか、足で一つ、ブレツのおなかをポンとけると、矢のやうに、向ふに高くそびえるギンガンれいの方をさして、せ去りました。
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
分水れいてう上に降る雨が、實に一糎か二糎の相違から、一方は右にながれてやがては右の海にそゝぎ、他方は左にながれて左の海にそゝぐことになるときかされてゐたのも
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
其いづる所を問へば、此国苗木城西二里きよ水晶が根といふ山よりとり来るといふ。二里半大井駅。十三峠をのぼる。此れいはなはだ険ならず、けいなくこくあり。石も少して赤埴土あかきはにつちなり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「されば、はや太行たいこう山脈の一れいにかかってきておる。ここさえ越えれば」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おお、ここらはもう、太行たいこう山脈の一れいだな」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)