山男やまおとこ)” の例文
或いは山男やまおとこだとか、山姥やまうばだとか、はては鬼などとか呼ばれて、まるで人間ではない、妖怪変化ようかいへんげの仲間の様に思われてしまいました。
「あのしんだいで、そのうえ、鉄工場てっこうじょうの、利益配当りえきはいとうが、たくさんあるのに、なんで、山男やまおとこすみなんかをごまかすような、けちなことをするのか。」
(新字新仮名) / 小川未明(著)
一、山男やまおとこ紫紺しこんを売りてさけを買いそうろうこと
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
こういう、ひとはなしをきくときに、少年しょうねんには、みすぼらしい、いかりにもえた、山男やまおとこ姿すがたが、にみえたのでした。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
山姥やまうば山男やまおとこ、或いは天狗というが如きは、それが伝説化されたものにほかならぬ。
人身御供と人柱 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
そしてつかれると、かれは、おかにあがった。すると、みすぼらしいふうをした山男やまおとこが、いかりにおののいて
(新字新仮名) / 小川未明(著)
後世に山男やまおとことか、山姥やまうばとかいう名で、化物ばけものででもあるかの如く思われたり、山番やまばんとか云って、非人視されている輩の如きは、奈良朝・平安朝の頃には山人やまびとと云って、一向珍しくないことでありました。