ささや)” の例文
然し、その名声を慕って、四谷北伊賀町の彼の仕事場を訪ねて行っても、鎚音のしない日は、見つけ出せないほどそこはささやかな家だった。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
タラ/\と急な杉木立の、年中日の目を見ぬ仄暗い坂をり尽すと、其処は町裏の野菜畑が三角形に山の窪みへ入込んで、其奥にささやかな柾葺まさぶきの屋根が見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その隣家となりに三十ばかりの女房一人住みたり。両隣は皆二階家なるに、其家そこばかり平家にて、屋根低く、軒もまたささやかなりければ、おおいなるおうの字ぞ中空に描かれたる。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)