しずか)” の例文
沖はよくぎてさざなみしわもなく島山の黒き影に囲まれてそのしずかなるは深山みやまの湖水かとも思わるるばかり、足もとまで月影澄み遠浅とおあさの砂白く水底みなそこに光れり。
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ばりっとしずかな夜気をやぶって、この三人の耳を驚かした。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども彼の心は決して、幽林の如くしずかではなかった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)