宸念しんねん)” の例文
いや、おんみずからのご不自由ふじゆうよりも、戦乱せんらんのちまたにえひしがれている民のうえにご宸念しんねんやすませられたことがない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
◯天皇陛下御宸念しんねんかたじけなくも金一千万円也を戦災者へ下賜せらる。
海野十三敗戦日記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これでは民草たみくされるわけである。おかみのご宸念しんねんのたえない道理どうりである。気をわるくするかもしれないが、そなたの祖父そふ信玄しんげんほどの人物も、そのひとりだといわなければならない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——龍涙りゅうるいに落つるは亢旱こうかん三年、という古言もあります。陛下、社稷しゃしょくの重きを思い給わば、何とぞ玉体をおそこね遊ばさぬように。そして努めて、士気の昂揚をご宸念しんねんあそばして下さい」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ご宸念しんねんをわずらわし奉り、いちいち、申しわけもございません」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「陛下。何をそのようにご宸念しんねんを傷めておいで遊ばしますか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さほどご宸念しんねんには及ばないでしょう」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かならずご宸念しんねんをおわずらわし遊ばしますな
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)