実子じっし)” の例文
旧字:實子
表面うわべは優しく見せかけても内心は如夜叉にょやしゃ、総領の継子を殺して我が実子じっしを相続人に据えようという怖しいたくみがあったに相違ないのです。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
自分のうちの子供を療治してるに迷うと同じ事で、そのあつかい実子じっしと少しも違わない有様であった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
わがなきのち便たよりなき娘のおいさを何とぞ不憫ふびん思召おぼしめされ、女房にょうぼに持ってはくださるまいか、いやさ敵同志の丈助の娘を女房に持たれまいが、さゝ御尤ごもっともでござるがかれわが実子じっしにあらず
いいえ、どれも実子じっしではないでございます。」
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)