かゝ)” の例文
かゝアも驚きやして、方々探して歩いた訳なんで、へえ、お久堪忍してくれ、誠に面目次第もねえ、てめえにまでおれは苦労をさせて
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
參詣人へも愛想よく門前の花屋が口惡るかゝも兎角の蔭口を言はぬを見れば、着ふるしの裕衣、總菜のお殘りなどおのづからの御恩も蒙るなるべし
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お前のかゝアも氣違ひの樣になつてゐるさうだが、お前もそれになつたのではないか? もう、何も云ひたくない。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
かゝなんぞ、何んでもえゝ。」と、太政官は絶望的に言つて、其の頃居た年嵩の下女を三人目の妻に直した。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
安「へえひどいめに逢いやした、寅の野郎は川ん中へほうり込まれて愍然かええそうでごぜえやす、かゝアが泣くだろうと思うと愍然でね」
んだ玉子酒たまござけをしてひやがつて、亭主ていしゆ山越やまごえをして方々はう/″\あきなひをしてゐるに、かゝアは玉子酒たまござけをしてくらやアがる、まだあまつてゐるがんでやれ、オイだれだおくまか、どこへつたんだ。
どうぞ殿様此ののちも寄ってお呉んなさい、へえへえ有難う、おいかゝア、大切たいせつに取って置きな、御三家御三卿がくらうてえんだが、旨くも何共なんともねえものを飲むんだな、香の物のいのを出して呉れ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その荷物が出さえすればよいと思うて居りました、実は私のかゝいもとがお屋敷奉公をしたところが、奥さんの気に入られて、お暇を戴く時に途方もない結構な物を品々戴いて、葛籠に一杯あるを
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)