姿態すがた)” の例文
一と口挨拶あいさつをした後は黙ってすわっているその顔容かおかたちから姿態すがたをややしばらくじいっとみまもっていたが柳沢がどうもせぬ前とどこにも変ったところは見えない。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
せいがあればこそあんなにもせいたのしみ、あんなにもうつくしい姿態すがたつくりて、かぎりなく子孫しそんつたえてくのじゃ。
乱れた若衆髷、着崩れた男装、それが美貌と映り栄えて、歌舞伎の色若衆さながらの、艶冶えんやたる姿態すがた形成かたちづくっている。それが縛られているのであった。柱にくくりつけられているのであった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大人しく服罪している者を爆破しようというのは勿論言語道断だが、勝手に禁錮を流罪に変更するのも随分目茶な話だ。斯うした卑劣と臆病と破廉恥とが野蛮に臨む文明の典型的な姿態すがたである。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)