天幸てんこう)” の例文
考えると余が無事に東京まで帰れたのは天幸てんこうである。こうなるのが当り前のように思うのは、いまだに生きているからの悪度胸わるどきょうに過ぎない。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
じつ先刻せんこくきふおもつて、この兵曹へいそうとも遊獵いうれうたのが、天幸てんこうにも君等きみらをおたすまうことになつたのです。』とひながら、大空おほぞらあほて。
その癖我邦は寒帯から熱帯にまたがっていて何の菓物でも出来ぬ事はない天幸てんこうの国です。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)