壮夫わかもの)” の例文
旧字:壯夫
家主あるじ壮夫わかもの三五人をともなひ来りて光る物をうつに石なり、皆もつてくわいとし石を竹林に捨つ、その石夜毎よごとに光りあり、村人おそれて夜行ものなし。
丑松の父といふは、日頃極めて壮健な方で、激烈はげしい気候に遭遇であつても風邪一つ引かず、巌畳がんでふ体躯からだかへつて壮夫わかものしのぐ程の隠居であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
階段はしごとどろと上る足音障子の外に絶えて、「ああいい心地きもち!」と入り来る先刻の壮夫わかもの
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
その日のうちに厚くねぎらひて家人にいとまを与へ、家屋倉廩そうりんを封じて「公儀に返還す。呉坪太くれつぼた」と大書したる木札を打ち、唯、金銀、書画の類のみを四駄に負はせて高荷たかにに作り、屈竟くっきょう壮夫わかものに口を取らせ
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
家主あるじ壮夫わかもの三五人をともなひ来りて光る物をうつに石なり、皆もつてくわいとし石を竹林に捨つ、その石夜毎よごとに光りあり、村人おそれて夜行ものなし。
壮夫わかものはちょいといずまいを直して、封を切り、なかをいだせば落つる別封。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
前回かりに壮夫わかものといえるは、海軍少尉男爵だんしゃく川島武男かわしまたけおと呼ばれ、このたび良媒ありて陸軍中将子爵片岡毅かたおかきとて名は海内かいだいに震える将軍の長女浪子なみことめでたく合卺ごうきんの式をげしは、つい先月の事にて
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)