国中こくちゅう)” の例文
旧字:國中
加賀の国黒壁くろかべは、金沢市の郊外一里程りていの処にあり、魔境をもっ国中こくちゅうに鳴る。けだ野田山のだやまの奥、深林幽暗の地たるに因れり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
且つげんえいなお存して、時に塞下さいかに出没するを以て、辺に接せる諸王をして、国中こくちゅうに専制し、三護衛の重兵ちょうへいを擁するを得せしめ、将をりて諸路の兵をすにも
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
天網恢々てんもうかい/\にして洩らさず、其の内に再び召捕めしとられたら、いよ/\国中こくちゅうへ恥をさらさなければ成りますまい、只今お町殿へ明日あすのことを申上げ、お別れにたった一目お逢いなされてはと申入れましたが
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこで、国中こくちゅう
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)