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囮
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をとり
ふりがな文庫
“
囮
(
をとり
)” の例文
網
(
あみ
)
を
張
(
は
)
つた
高
(
たか
)
い
竹竿
(
たけざを
)
には
鳥籠
(
とりかご
)
が
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。その
中
(
なか
)
には
囮
(
をとり
)
が
飼
(
か
)
つてありまして、
小鳥
(
ことり
)
の
群
(
むれ
)
が
空
(
そら
)
を
通
(
とほ
)
る
度
(
たび
)
に
好
(
い
)
い
聲
(
こゑ
)
で
呼
(
よ
)
びました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「そんなに不服なら、山之助をこの俺の家へつれて來るがよい。黒雲五人男をおびき寄せる
囮
(
をとり
)
くらゐにはなるだらう」
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
暫らく經つて岩井町の桃谷鬼一郎の家へも、
囮
(
をとり
)
姿の八五郎は聲を掛けました。桃谷鬼一郎はもう寢て居りました。
銭形平次捕物控:317 女辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この
囮
(
をとり
)
になる
鳥
(
とり
)
の
呼聲
(
よびごゑ
)
は、
春先
(
はるさき
)
から
稽古
(
けいこ
)
をした
聲
(
こゑ
)
ですから、
高
(
たか
)
い
空
(
そら
)
の
方
(
はう
)
までよく
徹
(
とほ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
つける代物ぢやありませんよ。たゞ、ちよいとその、へツ、與一兵衞の拵へぢや、役不足なんで。花川戸の助六かなんか、女の子の喜びさうな
囮
(
をとり
)
ぢやいけませんか
銭形平次捕物控:317 女辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「そんな
囮
(
をとり
)
でもなきや、八五郎や
聲
(
つんぼ
)
の幸吉が、毎日神妙な顏をして、しびれをきらしに通ふものか」
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
囮
(
をとり
)
とは言ひながら、八五郎を一人出してやるのが何んとなく心細かつたのでせう。
銭形平次捕物控:317 女辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は幸三郎をおびき出すために、伜の幾松を
囮
(
をとり
)
にしました。卑怯なやり方で、日頃の平次の好まないことですが、今となつては、幸三郎をおびき出す
術
(
て
)
は、外にありさうもないのでした。
銭形平次捕物控:253 猫の首環
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
囮
(
をとり
)
に染吉を
騙
(
だま
)
して僞金使ひの手先にしたが、段々うるさくなつて、變な樣子を
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さらつて、山王樣の森の中に驅け込み、町の人達が多勢で追つたが、石垣の上に
攀
(
よ
)
ぢ上り、お清殿を小脇に抱へて、それを
囮
(
をとり
)
に、威張つて居る、——お清殿の命が危ない、何んとかならぬものか
銭形平次捕物控:296 旅に病む女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その日の晝過ぎ、
囮
(
をとり
)
に
誘
(
さそ
)
はれた美しい鳥のやうに
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
囮
(
をとり
)
にして、其奴の顏が見てやりたう御座います
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「止せば宜いのに——ありや
囮
(
をとり
)
だつたんだ」
銭形平次捕物控:068 辻斬綺談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
囮
漢検1級
部首:⼞
7画
“囮”を含む語句
囮舟
囮鴨
女囮