トップ
>
喰切
>
くいしば
ふりがな文庫
“
喰切
(
くいしば
)” の例文
この騒ぎが
一団
(
ひとかたまり
)
の
仏掌藷
(
つくねいも
)
のような
悪玉
(
あくだま
)
になって、下腹から
鳩尾
(
みずおち
)
へ突上げるので、うむと云って歯を
喰切
(
くいしば
)
って、のけぞるという奇病にかかった。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ト歯を
喰切
(
くいしば
)
ッて
口惜
(
くちお
)
しがる。その顔を横眼でジロリと見たばかりで、お勢はすまアし切ッて座舗を立出でてしまッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
と思い返して
傍
(
そば
)
に寄り、倒れし男の面体を月影にてよく見れば、かねて
知己
(
ちかづき
)
なる八蔵の歯を
喰切
(
くいしば
)
りて
呼吸
(
いき
)
絶えたるなり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今も今母親の写真を見て文三は日頃
喰付
(
たべつ
)
けの感情をおこし覚えずも
悄然
(
しょうぜん
)
と萎れ返ッたが、又
悪々
(
にくにく
)
しい叔母の
者面
(
しゃっつら
)
を憶出して又
熱気
(
やっき
)
となり、
拳
(
こぶし
)
を握り歯を
喰切
(
くいしば
)
り
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
(いや、ますます降るわえ、奇絶々々。)と寒さにふるえながら牛骨が
虚飾
(
みえ
)
をいうと(妙。)——と歯を
喰切
(
くいしば
)
って、
骨董
(
こっとう
)
が負惜しみに受ける処だ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
依
(
よっ
)
て更に出直して「大丈夫」ト
熱気
(
やっき
)
とした
風
(
ふり
)
をして見て、歯を
喰切
(
くいしば
)
ッて見て、「一旦思い定めた事を
変
(
へん
)
がえるという事が有るものか……しらん、止めても止まらんぞ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
歯を
喰切
(
くいしば
)
った
獅噛面
(
しがみづら
)
は、額に
蝋燭
(
ろうそく
)
の流れぬばかり、絵にある燈台鬼という
顔色
(
がんしょく
)
。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
喰
漢検準1級
部首:⼝
12画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“喰”で始まる語句
喰
喰物
喰付
喰違
喰込
喰詰
喰殺
喰止
喰出
喰気