吾人われら)” の例文
鋼索こうさく化學用くわがくようしよ劇藥げきやく其他そのほか世人せじん到底たうてい豫想よさうがた幾多いくた材料ざいりよう蒐集中しうしふちうなりしが、何時いつとも吾人われら氣付きづかぬその姿すがたかくしぬ。
女学雑誌社を代表者として、現出せし一派の流行思想カレント、ソート吾人われらは之れを唯心的、凡神的の傾向と云ふ、直ちに之を唯心論、凡神論なりとは曰はず)
吾人われらちて世間にある事を記憶せざるべからず、出世間の出世間の事を行ふより、在世間の出世間の事を行ふの寧ろ大にして、真なる事を記憶せざるべからず。
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
吾人われら皆望を君に属せり、而して君は吾人をてゝ去れり。予は文壇に於て最も多く君に攻撃せられたり、私交に於て最も多く君に親しまれたり。
北村透谷君 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
吾人われらは非精無心の草木と共に生活する者にあらず。
烈女阿正オマサの如き、義侠深愛、貞節の如き美徳は之を貴き今日の娘子軍に求むべからず、けだ吾人われらが之を求め得ざりしは其眼界の狭きが為ならん
吾人われらは思想の自由を尊ぶが故に信条を掲げて以て去就を明かにせんとする也。天下の心は猶天下の面の如し。人々異なれり、誰れか狭隘のそしりを免れん、誰れか独断の譏を免れん。
信仰個条なかるべからず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
論じてこゝに到れば、吾人われらは今文明の急流中にさをさして、両岸の江山、須臾しゆゆに面目を改むるが如きを覚ふ、過去の事は歴史となりて、巻をかれたり、往事は之れを追論するも益なし
吾人われらは今こゝに印度の公子とナザレの木匠とを比較せんとする者に非ず、何となれば、斯る議論は「宗教家」として徒らに争論の資を作るが如きものたるのみならず、其生長の年歴さへ
吾人われらかつて陶淵明幽居を写すの詩を読み、此間有真意、欲弁已忘言といふに至つて其自然と己とを合して自他を忘却し、非自覚的アンコンシァスネスに自然を楽しむの妙を言顕いひあらはせしに敬服したりき。
凡神的唯心的傾向に就て (新字旧仮名) / 山路愛山(著)