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右顧左眄
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うこさべん
ふりがな文庫
“
右顧左眄
(
うこさべん
)” の例文
右顧左眄
(
うこさべん
)
、雄大無比なるこの高原の絶勝を眺めながら湯本へ着いたのが、もう日が暮れて大分間が経ってからである。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
一益の予想に反して、秀吉は各地の小城出城には
右顧左眄
(
うこさべん
)
なく、敵の
中巣
(
ちゅうそう
)
へ向って、全主力を傾倒し来ったのである。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「俺はもう心を決めているのだが、
兄者人
(
あにじゃひと
)
が
右顧左眄
(
うこさべん
)
、家のことを思ったり、大逆になるのを恐れたりして……」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
右顧左眄
(
うこさべん
)
し、
周章狼狽
(
しゅうしょうろうばい
)
した自分たちは、天地も
顛動
(
てんどう
)
する大きな変化に身をさらわれた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
なぜ
右顧左眄
(
うこさべん
)
をするか。きょうの御法事に、上野介の
首級
(
しるし
)
を供えぬのか。——時期の何のと、
小賢
(
こざか
)
しいことをいうているような事で、
成就
(
じょうじゅ
)
がなろうか。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
最初の
計画
(
もくろみ
)
を
掣肘
(
せいちゅう
)
し——自分自身掣肘し、ああでもあるまいこうでもあるまいかと、躊躇逡巡
右顧左眄
(
うこさべん
)
、仏心を出している間に、彼奴らいわば長袖者流、結託なして余を
弾劾
(
だんがい
)
!
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いずれにせよ、もはや
右顧左眄
(
うこさべん
)
しているときではない。朝敵尊氏を討つに、なんのおためらいなのか」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
又いかように相成ろうとも、われ等、
侍
(
さむらい
)
奉公の者が、この後とも歩む道は、一筋でしかない。
右顧左眄
(
うこさべん
)
、要らぬことじゃ。侍に生れたれば侍に死ぬる。それでしかない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは時の潮の真っ先に立つ人だ。その人に
降
(
くだ
)
った天の使命だ。打破しては
創
(
た
)
て、壊しては建て、その人は
右顧左眄
(
うこさべん
)
してはならない。一点の私もなければ民衆はついてゆく。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——なおこれ以上、
右顧左眄
(
うこさべん
)
していては、一歩もすすまぬ。まず対策は、その日その日に」と、彼はやがて、兼好に依頼された皇子のお便りを持って、
侍者
(
じしゃ
)
の
間
(
ま
)
へ、それを託しに行った。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
要するに何進は、下賤から人臣の上に立ったが、大なる野望家にもなりきれず、ほんとの悪人にもなりきれず、位階冠帯は重きに過ぎて、
右顧左眄
(
うこさべん
)
、気ばかり病んでいるつまらない人物だった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
要
(
い
)
らざる
右顧左眄
(
うこさべん
)
だ。一道をつきぬくのに何の傍見。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信雄は、
右顧左眄
(
うこさべん
)
して
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉もまた、
右顧左眄
(
うこさべん
)
。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右
常用漢字
小1
部首:⼝
5画
顧
常用漢字
中学
部首:⾴
21画
左
常用漢字
小1
部首:⼯
5画
眄
漢検1級
部首:⽬
9画
“右顧左”で始まる語句
右顧左顧