右斜みぎななめ)” の例文
二人は婢にいて二階の六畳の室へ往った。中敷ちゅうじきになった方の障子しょうじが一枚いていた。そこからは愛宕あたごの塔が右斜みぎななめに見えていた。
雨夜続志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その右斜みぎななめな二階の廊下に、欄干に白い手を掛けて立っていた、なまめかしい女があります。切組の板で半身です、が、少し伸上るようにしたから、帯腰がすらりと見える。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
章一ははかまひもを結んでいた。章一は右斜みぎななめに眼をやった。じぶんが今ひげっていた鏡台の前に細君さいくんおでこの出たきいろな顔があった。
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
玄関の格子戸こうしどがずりずりといて入って来た者があるので、順作はさかずきを持ったなりに、その前に坐った女の白粉おしろいをつけた眼の下にくもりのある顔をちょと見てから、右斜みぎななめにふりかえって玄関のほうを見た。
藍瓶 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
右斜みぎななめになっている小僧も右の眼が潰れていた。
山寺の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)