千倉ちくら)” の例文
今年の夏房州ぼうしゅう千倉ちくらへ行って、海岸の強い輻射ふくしゃのエネルギーに充たされた空間の中を縫うて来る涼風に接したときに
どれ、これをづるに、ねずみをゑさに、きつね、たぬき、おほきくいへば、千倉ちくらおき海坊主うみばうず幽靈船いうれいぶねでもつりださう。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
翌日よくじつ鴨川かもがはとか、千倉ちくらとか、停車場前ていしやぢやうまへのカフエーへ退身たいしん、いや、榮轉えいてんしたさうである。むし痛快つうくわいである。東京とうきやううちなら、郡部ぐんぶでも、わたしたづねてつて、まうとおもふ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)