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動坂
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どうざか
ふりがな文庫
“
動坂
(
どうざか
)” の例文
あの梅の鉢は
動坂
(
どうざか
)
の植木屋で買ったので、幹はそれほど古くないが、下宿の窓などに
載
(
の
)
せておいて
朝夕
(
あさゆう
)
眺
(
なが
)
めるにはちょうど手頃のものです。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
車道を
横断
(
よこぎ
)
っていると、ちょうど
動坂
(
どうざか
)
の方から出て来た電車がやって来て、すぐ眼の前で
停
(
とま
)
ったので、急いでその電車の前を
横断
(
よこぎ
)
ろうとした。
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
狭苦しい
動坂
(
どうざか
)
の往来もふだんよりは人あしが多いらしかった。門に立てる松や竹も田端青年団詰め所とか言う
板葺
(
いたぶ
)
きの小屋の側に寄せかけてあった。
年末の一日
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これも他愛のないお芝居なのか、さあこれから忙しくなるぞ、私は男を二階に振り捨てると、
動坂
(
どうざか
)
の町へ出て行った。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「何とか委員というのだろうが、あの
達磨
(
だるま
)
のように肥っていた奴が、有名な市会議員の
動坂
(
どうざか
)
三郎という人物だ」
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
わたしはその賑わいを後ろにして
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
から根津の方角へ急いだ。その頃はまだ
動坂
(
どうざか
)
行きの電車が開通していなかったので、根津の通りも暗い寂しい町であった。
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
瀬戸は名刺を出して、
動坂
(
どうざか
)
の下宿の番地を鉛筆で書いて渡した。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
動坂
(
どうざか
)
から電車に乗って、
上野
(
うえの
)
で乗換えて、
序
(
ついで
)
に
琳琅閣
(
りんろうかく
)
へよって、古本をひやかして、やっと
本郷
(
ほんごう
)
の
久米
(
くめ
)
の所へ行った。
田端日記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
山崎朝雲
(
やまざきちょううん
)
と云うひとの家の横から
動坂
(
どうざか
)
の方へぽつぽつ降りると、
福沢一郎
(
ふくざわいちろう
)
氏のアトリエの屋根が見える。
貸家探し
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
それから三人はもとの大通りへ出て、
動坂
(
どうざか
)
から
田端
(
たばた
)
の谷へ降りたが、降りた時分には三人ともただ歩いている。貸家の事はみんな忘れてしまった。ひとり与次郎が時々石の門のことを言う。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
上野の山を黙々として歩いていた省三は、
不忍
(
しのばず
)
の弁天と向き合った石段をおり、ちょうど
動坂
(
どうざか
)
の方へ往こうとする電車の往き過ぎるのを待って、電車
路
(
みち
)
をのそりと横切り弁天の方へ往きかけた。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
食堂を出て
動坂
(
どうざか
)
の講談社に行く。おんぼろぼろの
板塀
(
いたべい
)
のなかにひしめく人の群をみていると、妙にはいりそびれてしまう。講談社と云うところはのみの巣のようだと思う。文明も何もない。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
動
常用漢字
小3
部首:⼒
11画
坂
常用漢字
小3
部首:⼟
7画
“動坂”で始まる語句
動坂町
動坂線