剿滅そうめつ)” の例文
それに反して、呂布は、ぞんぶんに残敵の剿滅そうめつを行い、意気揚々、徐州へひきあげて、盛大なる凱旋祝賀会を催した。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今や天下にありては、相将その相将に非ず民心動揺して天朝の恢復と胡虜剿滅そうめつの天の瑞兆ずいちょうあるを見る。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
容易に剿滅そうめつしたわけではなく、現に二年前の萬治元年には大村領の邪宗徒六百三人を死罪にし、幕府は切支丹禁制の令を嚴にし、奴僕を召抱へるのに、檀那寺だんなでらの證文を必要としました。
尚おここにモウ一つ断って置きたいことは、われ等の使命が、ありとあらゆる形式の利己主義を剿滅そうめつせんとすることである。『』がにじり出づる所には、そこにわれ等の施すべき余地はない。
白君は涙を流してその一部始終を話した上、どうしても我等猫族ねこぞくが親子の愛をまったくして美しい家族的生活をするには人間と戦ってこれを剿滅そうめつせねばならぬといわれた。一々もっともの議論と思う。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
当時アメリカの沿岸およびインド洋に横行していた海賊を剿滅そうめつせよとの命を受けて、一六九六年に“Adventure”号の船長としてイングランドのプリマス港から出帆し、ニューヨークへ行き
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
敵を誘い、敵を分離させ、また個々に敵団を剿滅そうめつして、はじめ五千といわれた越境軍も、やがて樊城はんじょうへ逃げ帰ったのは僅々二千にも足らなかったという。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
容易に剿滅そうめつしたわけではなく、現に二年前の万治元年には大村領の邪宗徒六百三人を死罪にし、幕府は切支丹禁制の令を厳にし、奴僕ぬぼくを召抱えるのに、檀那寺だんなでらの証文を必要としました。
信長は入洛じゅらくしていて、岐阜ぎふは留守だし、加うるにその以前、信長が長嶋門徒の剿滅そうめつにかかったとき、家康から援軍を送らなかったので、二国同盟の信義も
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとつ、彼を用いて、社稷しゃしょくに巣くう奸党を剿滅そうめつなされたら如何なものでしょう。……われわれ憂いを抱く朝臣はもとより、万民みな、現状の悪政を嘆いておりますが
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
民衆に檄を伝えて街頭から義兵を糾合きゅうごうするつもりで、大いに活躍していたが、たちまちこれへ殺到した夏侯惇の大軍に出会うや、ひとたまりもなく剿滅そうめつされ、吉邈も吉穆きつぼく
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四国に散在している雑然たる敵性の烏合うごうに、しらみつぶしの剿滅そうめつを加えていたからである。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを討つに先駆した木曾の郎党も没落し、また、あの華やかな勲功を持った義経よしつねすらが、またたくまに帷幕いばくの人々と共に剿滅そうめつされて、社会の表からその影を失ってしまった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その源氏が、隆々と興って、治承、寿永の世にわたって、平家を剿滅そうめつして行ったころには、源平両軍がほこまじえるところに、佐々木三郎盛綱もりつなの名が功名帳に輝かないところはなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)