前置まえおき)” の例文
Mの奥さんはかういふ前置まえおきをして、次の話をはじめた。奥さんはもう三人の子持で、その話は奥さんがまだ女学校時代の若い頃の出来事ださうである。
前置まえおきづきだが、ようするにことというものは何だか一種凄みのあるものだということにすぎぬ、これからはなすことも矢張やっぱりことに関係したことなので、そののち益々ますます自分はことを見ると凄いかんじおこるのである。
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
足引あしびきの山鳥の尾の」という歌も前置まえおきことば多けれど、あれは前置の詞長きために夜の長きさまを感ぜられ候。これはまた上三句全く役に立ち不申もうさず候。この歌を名所の歌の手本に引くは大たわけに御座候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
姉の前置まえおきは長たらしくもあり、また滑稽こっけいでもあった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)