初耳はつみみ)” の例文
その父が徴兵ちょうへいをきらったということは初耳はつみみである。それについて一言もしない母は、父からそれをきかなかったのであろうか。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「そうかい。そいつは初耳はつみみだな。よしきた。そのけんもなお念入ねんいりにあらつてみろ。それからきみには、金魚屋きんぎょやとパチンコのことを調しらべてきてもらいたいんだがね」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
則地も、それは初耳はつみみだというように、覗きに行ったが、戻って来て、大笑いしながら云った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そいつァ尚更なおさら初耳はつみみだ。——その相手あいてッてな、どこのだれよ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「この川越にお屋敷があるということは初耳はつみみでございますが?」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そう聞くと、神主かんぬし長谷川右近はせがわうこんは、初耳はつみみのように目をみはって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「治国の剣。……それは初耳はつみみじゃが、どういう意味か」
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)