出来上できあ)” の例文
旧字:出來上
代助は、誠吾の始終いそがしがつてゐる様子を知つてゐる。又そのいそがしさの過半は、う云ふ会合から出来上できあがつてゐるといふ事実も心得てゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたしの仕事しごともこれで出来上できあがったのだから、この上ながく、むさくるしい人間にんげんの中にんでいようとはおもわない。
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
といって、こしにつるしたつるぎいて、うみみずをかきまわしますと、みるみるそこへりっぱな御殿ごてん出来上できあがりました。大国主命おおくにぬしのみことはそれをごらんになると
赤い玉 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
原口さんの画は出来上できあがつた。丹青会は之を一室の正面に懸けた。さうして其前に長い腰掛を置いた。やすためでもある。画を見るためでもある。休み且つ味ふためでもある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もうすっかり出来上できあがって、びくともしずに、長々ながながとかかっているではありませんか。
鬼六 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)