出抜だしぬけ)” の例文
旧字:出拔
出抜だしぬけに先生はこういって再度眼をとじてしまった、これだけのことをいうにもよほどタイギそうに次の語を発しない、予は思わずひざを進めて。
竹乃里人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
『お前が出抜だしぬけに入って来たので、私はだれかと思った。おゝ喫驚びっくりした。』とぐ床をしかして休んでしまいました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
とこが、出抜だしぬけに地面においた方のスリッパが、翼をひろげて、地上から舞上りました。
死ぬるか生きるか、まるは今のつかと思案するもまた束の間、心はほのおことばこおり、ほほほほほ出抜だしぬけだからきもをおつぶしだらうね、話せばじきに分る事ゆゑ、まあちよつと下にゐて下されと
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)