トップ
>
凄涼
>
せいりょう
ふりがな文庫
“
凄涼
(
せいりょう
)” の例文
蕪村はこれを
巧
(
たくみ
)
に用ゐ、これら不浄の物をして殺風景ならしめざるのみならず、幾多の
荒寒
(
こうかん
)
凄涼
(
せいりょう
)
なる趣味を含ましむるを得たり。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
夜
(
よ
)
はすでに十一時に近づきぬ。
磧
(
かわら
)
は
凄涼
(
せいりょう
)
として
一箇
(
ひとり
)
の
人影
(
じんえい
)
を見ず、天高く、
露気
(
ろき
)
ひややかに、月のみぞひとり澄めりける。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
詩に曰く風雨
晦
(
くら
)
し、鶏鳴いてやまずと、もとこれ極めて
凄涼
(
せいりょう
)
の物事なるを、一たび点破を経れば、すなわち佳境と
作
(
な
)
ると。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
明日知れぬおそろしい
世音
(
せおん
)
の暗い風が——そのままここ
揚子江
(
ようすこう
)
に近い夜空いちめんな星の色にも不気味な
凄涼
(
せいりょう
)
の感を
墨
(
すみ
)
のごとく流している今夜であった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真逆
(
まさか
)
に
墓表
(
ぼひょう
)
とは見えずまた墓地でもないのを見るとなんでもこれは
其処
(
そこ
)
で情夫に殺された女か何かの供養に立てたのではあるまいかなど
凄涼
(
せいりょう
)
な感に打たれて其処を去り
根岸庵を訪う記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“凄涼”の意味
《名詞》
寒気がするほど物寂しいこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
凄
常用漢字
中学
部首:⼎
10画
涼
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“凄”で始まる語句
凄
凄惨
凄味
凄愴
凄艶
凄気
凄腕
凄然
凄婉
凄絶