円形えんけい)” の例文
旧字:圓形
「これは……?」乙吉の受取ったのは、よく鉱物こうぶつ標本ひょうほんを入れるのに使う平べったい円形えんけいのボールばこで、上が硝子ガラスになっていた。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かれはどこかの町で見かけた旅芸人たびげいにん所作しょさを思いうかべて、わざと、きょうをそえながら、つえでクルリと円形えんけいせんをえがいて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうどとなりいえの二かいには、中学校ちゅうがっこうへ、おしええに博物はくぶつ教師きょうしりていました。博物はくぶつ教師きょうしは、よく円形えんけい眼鏡めがねをかけて、かおしてこちらをのぞくのであります。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは七色の水珠すいじゅが、円形えんけいに寄りあっているのだが、色の配列具合によって、普通の視力をもっているものには「1」という数字が見える場合にも
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まず入口を入ったすぐのところが円形えんけいの広間になっていて、天井は半球はんきゅうで、壁画が秋草と遠山の風景である。急に富士山麓ふじさんろくへ来たような気持ちになる。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
中には、おなじようなガラス器があり、それの中に見られたものは、よく見ないとわからないほどの細い針金でもって、だ円形えんけいのかごのような形を、あみあげたものだった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いきなり目の前に一つの点が現われたと思ううちに、それが見る見るおおきく円形えんけいになって広がってゆく。そしてついにその円形が最大値に達すると、今度は逆に小さくなって行きます。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
風船をつくるには、色とりどりの蝋紙の全紙ぜんしを、まずそれぞれの大きさにしたがって、長い花びらのように切り、それを積み重ねておく。それから小さいオブラートのような円形えんけいを切り抜いて積み重ねる。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)