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典薬頭
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てんやくのかみ
ふりがな文庫
“
典薬頭
(
てんやくのかみ
)” の例文
『医心方』は
禁闕
(
きんけつ
)
の秘本であった。それを
正親町
(
おおぎまち
)
天皇が
出
(
いだ
)
して
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
半井
(
なからい
)
通仙院
(
つうせんいん
)
瑞策
(
ずいさく
)
に賜わった。それからは
世
(
よよ
)
半井氏が護持していた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
当時は
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
に属していたが、さきごろ若年寄の支配に変り、御薬園奉行の職制が定って、目黒の駒場に新しい薬園ができた。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おお、御奉公に出た明くる年の春の末じゃ。関白殿のお指図で
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
が
方剤
(
ほうざい
)
を尽くして、いろいろにいたわって下されたが、人の命数は是非ないものでのう」
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
朝廷からは、
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
の
和気
(
わけ
)
、丹波の二家をさしむけられ、門前には見舞の
公卿車
(
くげぐるま
)
もあとを絶たない。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義庵と称して聞えた
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
、今も残っている門内
左手
(
ゆんで
)
の方の柳の下なる、この
辺
(
あたり
)
に珍しい掘井戸の水は自然の神薬、大概の病はこれを汲めばと謂い伝えて、折々は竹筒、瓶
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
先年宮が病気のとき召された医者
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
定成がいるはずである、あの者なら首を確認できようというので、使いが走ったが、ただいま病の床に伏しているのでお役には立てない
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「幕府の目見医にあがるかたわら、この医術で名をあげ、やがては御番医から
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
にものぼるつもりだった、しかし、いまの私にはそういう望みはない」
赤ひげ診療譚:08 氷の下の芽
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
歳
(
とし
)
の
初
(
はじめ
)
の
発会式
(
ほっかいしき
)
も、他家に
較
(
くら
)
ぶれば華やかであった。しほの母は
素
(
もと
)
京都
諏訪
(
すわ
)
神社の
禰宜
(
ねぎ
)
飯田氏の
女
(
じょ
)
で、
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
某の家に仕えているうちに、その嗣子と
私
(
わたくし
)
してしほを生んだ。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「ご近習や
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
から、お目ざめの
都度
(
つど
)
には、きっと、さし上げるようにとのことで」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
華陽は
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
半井景雲
(
なからゐけいうん
)
の門人で、
蕨駅
(
わらびえき
)
に住んでゐた。蘭軒は「為人沈退実著、愛間好学、不敢入城都」と云つて、著す所の書を列挙してゐる。書名中に「薬方分量考」がある。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
大坂の商賈某が信濃国諏訪の神職の
女
(
ぢよ
)
を娶つて一女を生ませた。此女が長じて京都の
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
某の婢となつた。口碑には「朝廷のお薬あげ」と云ふことになつてゐる。わたくしはこれを典薬頭と解した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
典
常用漢字
小4
部首:⼋
8画
薬
常用漢字
小3
部首:⾋
16画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“典薬”で始まる語句
典薬
典薬寮
典薬之助
典薬左井黙庵