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兩翼端
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りようよくたん
或は
七十五尺といふような
高さの
洪水となり、
合計二萬七千人の
人命を
奪つたのに、
港灣の
兩翼端では
僅に
數尺にすぎない
程のものであつたし、
其夜沖合に
漁獵に
行つてゐた
村人は
又津浪に
浚はれた
場合に
於て、
其港灣の
奧に
接近した
所では
潮の
差引が
急であるから、
游泳も
思ふように
行かないけれども、
港灣の
兩翼端近くにてはかような
事がないから、
平常通りに
泳ぎ
得られる。